産後の尿漏れは骨盤が関係している?
2020年03月30日
産後はさまざまな身体のトラブルがつきものですが、尿漏れに悩んでいる方も少なくありません。今回は、産後の尿漏れと骨盤の関係について解説します。
産後の尿漏れの原因とは?
産後に尿漏れを感じる原因は、骨盤が広がっていることです。厳密に言うと、骨盤が広がることで骨盤底筋という筋肉が引き伸ばされてしまうからなのです。
妊娠や出産を機にリラキシンというホルモンが分泌されます。このホルモンは筋肉や靭帯を緩める効力があり、赤ちゃんが成長して大きくなるにつれて、骨盤内のスペースも大きくなります。また出産する際には、さらに骨盤を広げて赤ちゃんが産道を通りますので、骨盤底筋と言う筋肉はさらに引き伸ばされてしまいます。
産後の尿漏れはいつまで続く?
緩んだ筋肉や靭帯は産後3~5ヶ月を経て元の強さに戻ります。半年も経てば元の強さに戻るでしょう。元の強さに戻れば尿漏れは基本的に改善されます。
ただ、半年という期間はかなり長い期間です。少しでも早く症状を改善させるためには「骨盤矯正を受けて骨盤を締めることで、筋肉の伸びてしまっている距離を縮めること」と「骨盤底筋のトレーニングをすることで、筋力を元に戻してあげること」です。
産後の尿漏れを改善するには?
産後の尿漏れを改善するためには2つの方法があります。先ほどお話しした通り「骨盤矯正を受けること」と「骨盤底筋のトレーニングをすること」です。
「骨盤矯正を受けること」は広がった骨盤を元に戻すことで、単純に筋肉の距離を縮めることができます。骨盤が歪んでいると、本来の正常な長さ以上に骨盤底筋が伸ばされてしまいます。
必要以上に伸ばされている筋肉は、力が入りにくくなります。試してください。
重たいものを持って肘を曲げようとする時、腕(肘)を完全に伸ばした状態から曲げようとする時と、腕(肘)を90度に曲げた状態からさらに曲げるのと比べた時、後者のほうが曲げやすくないですか?筋肉には力を発揮しやすい伸び縮み具合があります。
力が入りにくい筋肉は本来の力を発揮できず、「尿漏れ」の症状を誘発します。
ではなぜ「骨盤底筋のトレーニングをすること」も必要なのでしょうか。
骨盤が広がることで筋肉は本来のチカラが発揮しにくくなります。
つまり、チカラが入りにくい状態ということは、筋力自体が低下してしまっている可能性があるのです。筋肉を使わなければ、その筋肉の筋力は低下します。骨盤底筋も同じように、骨盤が広がってチカラが入りにくくなることで、骨盤底筋自身の筋力の低下が考えられます。
当院で骨盤矯正を受けて頂いた方の中でも、完全に尿漏れが改善されない方がいらっしゃいます。それは骨盤底筋の筋力の低下も伴っているからなのです。そのため、症状に合わせて最初からトレーニングをお伝えしたり、症状の改善具合によって随時トレーニングをお伝えしたりしています。
今回は簡単な骨盤底筋を鍛えるトレーニングをお伝えします。ぜひ、挑戦してみて下さい。
「立ってするトレーニング」
- フェイスタオルぐらいの大きさのタオルを硬く丸めて筒状にします。
- 両足を揃えて立ち、太ももの間(できるだけ股の近く)に丸めたタオルを挟みます。
- 太ももの内側の筋肉にチカラを入れてタオルを押し潰します。
- 太もものチカラを緩めずにお尻の穴を締めます。
- 10秒ほどキープしたら、チカラを抜いて下さい。
- これを5回繰り返します。
1日に2セット~3セットできれば最高です!
「上向きに寝てするトレーニング」
- 仰向けに寝て膝を立てて寝ます。
- 足を肩幅ほどに広げます。
- お尻→腰→背中の順番に浮かし、肩と足の裏だけで身体を支えます。
- 身体を浮かしたまま骨盤底筋(お尻の穴)に力を入れます。
- ゆっくり深呼吸を3回し、身体を下ろします。
- これを3回繰り返します。
これも1日に2セット~3セットできれば最高です!
慣れてきたら、深呼吸やトレーニングの回数を増やして負荷を掛けるのはもちろん、膝の間にボールやクッションを挟む方法や、ドローインを同時に行うことでさらに負荷を掛ける方法も良いでしょう。
1日1回でも良いので、毎日続けること、継続がとても重要です。
ちょっとした時間を見つけてトレーニングをするようにして下さい。
産後の骨盤矯正のメリットは尿漏れ改善以外にも
妊娠・出産を機に骨盤は必ず広がります。普通分娩・帝王切開など出産方法は問いません。出産に伴って身体の中ではさまざまな変化が起きています。広がった骨盤は本来、自力で元に戻ろうとするのですが、産後1週間ほどで退院し、家事・育児などで身体をたくさん動かすことで、骨盤はどうしても元には戻り切れません。
今回お話しした「尿漏れ」に限らず、「腰痛」「恥骨痛」「子宮脱」などの痛みなどを伴う症状や、「妊娠前のズボンが履けない」「骨盤に不安定感を感じる」などといった不安要素を含んだ症状も現れたりします。もちろん何も症状を感じない方もいらっしゃいます。
妊娠中や産後に現れた症状は、骨盤の広がりが関係していることが考えられやすく、原因になることが多いので、何か症状があれば骨盤矯正を受けられることをお勧めします。
また症状の有無に関わらず、骨盤の状態を元に戻すことは、従来の身体に戻るということです。必ず身体の中では、妊娠・出産を機に変化が起きているので、何も症状のない方でも骨盤矯正を受けておくことをお勧めします。
このブログを書いたスタッフ
[整体師]
鮫島 千華(さめしま ちか)
学生時代は剣道に励んでおり、日々竹刀を振っておりました。 現在は、産後の骨盤矯正をさせていただいております。 産後のお悩みを解消できるように頑張っていきます。