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膝の内側の痛みの原因と対処方法

2020年03月09日

膝の内側の痛みの原因と対処方法

こんにちは。かとう鍼灸整骨院上沢院の鍼灸師、池嶋です。

先日お話しさせて頂いた「膝前面の痛み」に引き続き、今回は膝の「内側」についてのお話です。(写真はイメージです。写真ではこちら側からは膝の外側が見えています)

膝の内側の痛みは、前面の痛みと同様に、寒い時期に痛みが出やすく、放っておくと悪化しやすい部分です。スポーツでよく膝を動かす方や、お仕事で重い荷物を持って立ったりしゃがんだりの動作を繰り返す方など、痛みを訴える方は様々です。

では、これらの辛い痛みの原因と対処方法を説明していきましょう。

 

膝の内側の痛みは何が痛んでいるのか

膝の内側に負担をかける力の種類は、大きく分けて次の2つです。

 

・引っ張られる力

・圧迫される力

 

まずは「引っ張られる力」の場合です。

X脚のように足が外側に開く力がかかるときや、膝の内側にある靭帯の柔軟性が低下しているとき、またはその両方が混在する場合、膝の内側に「引っ張られる力」が強くはたらきます。

このような負担によって痛みが出ている場合、内側側副靭帯(ないそくそくふくじんたい)、鵞足(がそく)、半膜様筋(はんまくようきん)、腓腹筋(ひふくきん)の損傷が考えられます。

次に「圧迫される力」の場合です。先ほどとは逆でO脚のように脚が内側に向く力がかかるとき、膝の内側の部分が圧迫されます。

このような状況で痛みが出る場合は内側半月板(ないそくはんげつばん)の損傷が疑われます。ではこれらの筋肉や靭帯について詳しく説明していきます。

 

内側側副靭帯(ないそくそくふくじんたい)

膝関節の内側を固定している大きな靭帯で、膝を支点にして膝から下の部分が外側に回転してしまうのを防いでいます。この靭帯を痛めている場合、膝をほんの少し曲げた状態(5度~25度)、もしくは最大まで膝を曲げきったときに痛みが出る場合が多いです。

 

鵞足(がそく)

鵞足とは、縫工筋(ほうこうきん)、薄筋(はくきん)、半腱様筋(はんけんようきん)の3つの筋肉が合流してできる部分で、膝の内側にあります。それぞれ太ももの前側、内側、後ろ側から伸びてきて細くなり、膝の内側で合流します。

この合流部分の形が見た目上ガチョウ(鵞鳥)の足のように見えるので「鵞足」と呼ばれます。この部分が炎症を起こしたものを鵞足炎(がそくえん)と言います。鵞足部分の痛みは肥満傾向の人に多く、男女で比べると筋力が弱い傾向の女性に多いと言われています。

 

半膜様筋(はんまくようきん)

半膜様筋は太ももの裏側にある強力な筋肉で、「ハムストリングス」と総称される筋肉のうちの1つです。この筋肉は、膝の近くでは前述の内側側副靭帯をはじめとした多くの靭帯に繋がっています。そのため、それらの靭帯の一部に損傷がある状態で半膜様筋がはたらくと、膝の内側に強い力がかかり痛みが出ます。

 

内側半月板(ないそくはんげつばん)

膝関節は太ももの骨と脛(すね)の骨の連結部分で、骨同士がぶつからないようにクッションの役目をしているのが半月板(はんげつばん)です。半月板は内側と外側に別々にありますが、今回は内側半月板にしぼってお話しします。

内側半月板はクッションの役目だけではなく、膝の曲げ伸ばしのときに前後にスライドすることで骨の動きをサポートするはたらきもあります。この動きを可能にするため、内側半月板には様々なものがくっついています。

まず関節包(かんせつほう)と呼ばれる膜がくっついており、さらにその膜には半膜様筋や後斜靭帯(こうしゃじんたい)という靭帯がくっついています。そのため、これらの筋肉や靭帯のはたらきが弱まると、内側半月が正しい動きを行うことができなくなり「半月板損傷」となることで痛みが出ます。

 

これらを痛めてしまう根本の原因として、主なものとその治療方法を挙げると以下のとおりです。

 

膝の内側の痛みの原因と治療方法

①膝から下のねじれ

膝から下のねじれとは「膝のお皿は正面を向いているのに、つま先は斜め外側を向いている」というような状態です。

例えば立ちっぱなしのときに、片方の脚だけに偏って体重をかけてしまっているときに起こります。このねじれが脚に残ったままになると、内側側副靭帯や半膜様筋に引っ張る力がかかりっぱなしになり痛みが出ます。この場合モビリゼーションという徒手療法で、膝関節を揺らしながら脛の骨のねじれをまっすぐに戻していきます。

 

②ふくらはぎの筋力低下

ふくらはぎの筋肉が弱っていたり疲れていたりすることにより力が入らない場合、鵞足を構成している筋肉が過剰にはたらきます。ふくらはぎの筋肉の負担を肩代わりする形になるのです。

これがひどくなり、熱を持っていたり皮膚が赤くなったりしていたら鵞足炎という炎症の状態です。この場合はマッサージなどの筋肉をもみほぐす処置をしてはいけません。ビニル袋等に氷水を入れて患部を冷やし、または鍼の刺激による治療で素早く炎症を静めていく処置が必要になります。

運動不足による筋肉の衰えが考えられる場合には、炎症による痛みがしっかり退いた後、「かかと上げ運動(背伸びの動作)」による筋力強化も必要です。

 

③太もも裏の筋肉の硬直

膝の関節まわりの靭帯は、膝が完全に伸びた状態のときに最も強固に膝を安定させてくれるようになっています。

太ももの裏の筋肉はハムストリングと呼ばれ、この筋肉が硬直することで膝が曲がったままになってしまうことがあります。すると関節がグラグラと不安定になり、内側半月板を痛めてしまいます。

半月板そのものが割れたり欠けたりした場合は整形外科での治療が必要になるため、まずはCTやレントゲンで確認してもらうようにしましょう。そのような物理的な損傷がなければ、整骨院で筋膜リリースという徒手療法と、お灸の熱による治療でハムストリングの柔軟性を取り戻し、痛みを軽減させます。

 

まとめ

膝は靭帯や筋肉、骨、軟骨など、細かなパーツが多い部分です。ケガの種類によっては整形外科での処置が必要な場合もありますが、まず当院にお越し頂ければ当院で治療可能かどうかをしっかり見極めます。その上で、あなたのお体にとって最も良い方法をご提案させて頂きます。安心して、私たちにご相談ください。

このブログを書いたスタッフ

[はり師・きゅう師]

池嶋 洋介(いけじま ようすけ)

趣味は旅行、音楽ライブなどの楽器の生演奏を聴く事。 水泳・器械体操や格闘技の経験があります。 西洋医学と東洋医学、それぞれの良い所を使って日々施術させて頂いております。

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