喉(のど)の不調と眼精疲労は姿勢のゆがみから
2020年01月15日
こんにちは、かとう鍼灸整骨院上沢院の鍼灸師、池嶋です。
皆様、本年もよろしくお願いいたします。
1月になりましたが、けっこう暖かい日があるかと思えば急に寒くなったりと、不安定な気候で大変ですね。風邪も流行っていますので皆様ご注意ください。
今回お話させて頂くのは、一見すると整骨院とは関係のなさそうな喉(のど)の不調と眼精疲労についてです。
耳鼻科や眼科に行って診てもらっても「特に悪いところはないですよ、大丈夫です」と言われるのに、なぜか取れない違和感と疲れ。こういった経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
タイトルにもある通り、このような症状には猫背に代表される姿勢のゆがみが影響している場合があります。
今回はそのメカニズムと対処方法に関して説明していきたいと思います。
姿勢のゆがみ
まずは症状の根源である姿勢からみてみましょう。
①肩が前に出る
②肩甲骨の間が丸まって硬直
③腹筋と背骨が硬直
①肩が前に出る
パソコン作業などのデスクワークやスマホを見る姿勢が長時間続くと、顔はうつむきなり、肩が前に丸まってきます。
②肩甲骨の間が丸まって硬直
肩が前に丸まってくると、それに伴って背中も丸くなります。これがいわゆる「猫背」の状態です。
この状態になると左右の肩甲骨の間が広がりすぎてしまい、肩甲骨と背骨を結んでいる筋肉がピンと張った状態になります。これでは筋肉の伸縮性がなくなっているため、姿勢はこのまま硬直します。
反対におなか側は腹筋や内臓が圧迫されていきます。
③腹筋と背骨が硬直
前屈姿勢が続くと胸からおなかにかけて圧迫されます。
すると腹筋の中でも特に腹斜筋(ふくしゃきん)・腹横筋(ふくおうきん)と呼ばれる筋肉がかたくなります。そしてこれらの筋肉がつながっている広背筋(こうはいきん)という大きな背筋もかたくなってしまいます。
これにより、背骨はますます曲がって硬直していきます。
以上が猫背の状態です。この状態を根本的に改善するために、当院では「猫背矯正」という猫背に対する専門の施術をご用意しています。
「猫背は治せないもの」と思い込みがちですが、そうではありません。適切な対処を行えば必ず改善することができます。
以下では、姿勢の悪さが喉の不調や眼精疲労にどのようにつながっていくのかを説明します。
喉の不調と姿勢の関係
まずは喉の不調につながる仕組みを見てみましょう。
①肋骨(ろっこつ)・鎖骨(さこつ)が下がる
②胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)の疲労
③肋骨・鎖骨の下垂がさらに増加
①肋骨・鎖骨が下がる
前屈姿勢が続き、胸やおなかの圧迫が長期におよぶと、肋骨が下がったまま動きにくくなります。呼吸も浅くなり全身の筋肉に酸素を運ぶ力が低下します。
②胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)の疲労
肋骨や鎖骨が下がったままだと、喉が下に引っ張られて負荷がかかります。この状態だと呼吸がしにくいため、肋骨や鎖骨を引き上げようと首の筋肉(胸鎖乳突筋)に過剰に力が入り疲労します。
③肋骨・鎖骨の下垂がさらに増加
胸鎖乳突筋が疲労すると大胸筋や肋間筋の血液循環も悪くなり、筋肉に力が入らなくなります。そうすると肋骨や鎖骨の下垂がさらにひどくなり、喉にある空気の通り道が狭くなります。これが喉の不調となります。
姿勢による喉の不調の治療方法
鎖骨下筋(さこつかきん)と胸鎖乳突筋の筋膜リリースを行います。
筋肉を皮膚の上から押さえ、筋肉とそれを包んでいる膜を引き離して動きを良くする施術です。
これらの筋肉が柔軟性を増すことで、肋骨や鎖骨を動かす準備ができます。
その後肋骨と鎖骨に対し「パンピング」という施術を行います。皮膚の上からバネのように骨を押さえては離すという反復動作を行うことで骨と関節の動きを良くします。
これにより首周りの姿勢が改善すると、喉の締めつけがなくなります。
眼精疲労と姿勢の関係
次に眼精疲労の仕組みを見てみましょう。
①頚最長筋(けいさいちょうきん)が硬直
②頚椎(けいつい)2番~5番が硬直
③首の血行不良により眼精疲労
①頚最長筋(けいさいちょうきん)が硬直
猫背などの姿勢のゆがみによって肩甲骨が広がり過ぎると、背骨を支えている頚最長筋(けいさいちょうきん)が引っ張られます。この筋肉が背中から首につながっているため、首の姿勢もくずれてきます。
②頚椎(けいつい)2番~5番が硬直
首には頚椎(けいつい)と呼ばれる骨が7つ連なって存在します。この7つのうち上から2番目から5番目に頚最長筋がくっついており、筋肉の硬直にともなって頚椎も硬直します。
③首の血行不良により眼精疲労
首には頚椎に沿って椎骨動脈(ついこつどうみゃく)という大事な血管が通っています。頚椎が歪んだまま硬直することによって椎骨動脈が圧迫され、頭や顔に向かう血液の巡りが悪くなります。これにより目が栄養不足の状態になり、眼精疲労となります。
姿勢による眼精疲労の治療方法
頚最長筋に対してストレッチと筋膜リリースを行います。
筋肉と筋肉を包んでいる膜を引き離し、筋肉の硬直を取り除きます。
次に7つの首の骨それぞれの細かいゆがみを検査し、正しい位置と方向に微調整していきます。この施術をモビリゼーションといいます。
頸椎の位置が正しい状態になると、それに並行している血管の形も整います。
こうして血の巡りが改善することで、眼のまわりに溜まっていた疲労物質が取り除かれるのです。
また、小さいタオルやハンカチを、目を閉じたまぶたの上からあてて温めるのも効果的です。
まとめ
いかがでしょうか。「整骨院で喉の違和感や眼精疲労に対する施術」と考えると不思議な感じがするかもしれませんが、これらの症状の根本原因が「姿勢のゆがみ」であることもあるのです。
原因がわからずにお困りのあなた、ぜひ一度私たちにご相談ください。
このブログを書いたスタッフ
[はり師・きゅう師]
池嶋 洋介(いけじま ようすけ)
趣味は旅行、音楽ライブなどの楽器の生演奏を聴く事。 水泳・器械体操や格闘技の経験があります。 西洋医学と東洋医学、それぞれの良い所を使って日々施術させて頂いております。