肩こりや首のこりの意外な原因
2019年12月13日
こんにちは。かとう鍼灸整骨院上沢院の鍼灸師、池嶋です。
いよいよクリスマスやお正月の準備など忙しい時期がやってきました。皆様くれぐれも頑張りすぎて体を痛めたりしないように気をつけてくださいね。
さて、先日「腰痛の意外な原因」についてお話をさせて頂きました。
今回お話しさせていただくのは「肩こり・首こり」についてです。「肩や首のこりは感じるけれど自分でマッサージをしても一向に楽にならない」という方はぜひ聞いていただきたいと思います。
肩こりの原因は?
多くの方の肩こりの原因を詳しく調べていくと、実は肩そのものが悪いという事はほとんどありません。
意外かもしれませんが、肩こりの原因の一つは胃腸が弱ることです。
そこから肩のこりにつながっていくプロセスを示します。
①胃の機能が低下
②背骨が硬直
③僧帽筋が弱る
④肩こり
①胃の機能が低下
食事量が多すぎたり食事のタイミングが不規則になったりすると、胃に大きな負担がかかります。
胃や腸も筋肉でできており、動き続けているとやがて疲労します。
食事のタイミングが不規則になると、胃が「そろそろ休もうかな」と感じているのに、食べ物が入ってきて無理やり働かされるような状態になるため、回復に必要な休息が取れず、機能が低下します。
②背骨が硬直
胃の機能が低下すると、脳は胃の疲れを感じます。
人間の体は、「内臓が弱っている」と感じると、その内臓を守るために付近の筋肉が硬くなるという仕組みがあります。
胃を守る筋肉は背骨の中でも特に胸椎(きょうつい)と呼ばれる骨の近くにあり、これらの筋肉が硬くなることによって、背骨も自由に動くことができなくなります。これが背骨の硬直です。
③僧帽筋が弱る
首の後ろから肩、背中に広がっている僧帽筋(そうぼうきん)という大きな筋肉があります。
この筋肉は胸椎の広い範囲にくっついているので、背骨が硬直すると僧帽筋の上部および中部の動きが悪くなります。
④肩こり
僧帽筋の動きが悪い状態が長期間続くと、背中から肩にかけての血行不良が起こります。これが「こり感」の原因です。
さらに、肩周辺の肩甲拳筋(けんこうきょきん)、菱形筋(りょうけいきん)といった筋肉も、酷使されて疲労がたまると慢性症状になります。
次は首のこりについてです。
首こりの原因
近年、ものすごい勢いで増えているのが「腕の使い過ぎ」です。
あまり歩かなくなり全身の筋肉が使われなくなった一方で、デスクワークでキーボードをたたき続ける時間が激増しました。
こうして疲労困憊した腕の負担を肩代わりするような形で、首のまわりの筋肉が酷使され、「こり」になっていきます。
ところが、腕をそれほど酷使していないにもかかわらず、頑固な首のこりを訴える場合があります。
肩こりの原因と同じように胃腸などの内臓の不調によるものや、腰まわりの筋肉の疲労によるものがあります。以下で詳しく説明しましょう。
①胃の機能が低下
②姿勢の悪さ
③背中の筋肉が硬直
④首がこる
①胃の機能が低下
これは「肩こり」の場合と同じく、食べ過ぎや食事のタイミングの不規則などによって内臓の筋肉が疲労することで、胃の機能が低下します。
②姿勢の悪さ
胃の不調により内臓を守るための筋肉が硬くなるのに加えて、背骨のS字カーブが崩れていきます。
正常な背骨は実は棒のようにまっすぐ一直線ではなく、緩やかなS字カーブを描きます。これによってバネのように体に加わる衝撃を吸収できるようになっているのです。
デスクワークのように座ったままの仕事や家事などを長時間続けることでS字カーブが崩れ、腰の負担がさらに増えます。
③背中の筋肉が硬直
背骨のS字カーブが崩れて背中や腰が丸まってしまうと、背骨を支えている頭最長筋(とうさいちょうきん)、頸最長筋(けいさいちょうきん)という筋肉が引き伸ばされ、次第に硬直していきます。
④首がこる
頭最長筋(とうさいちょうきん)、頸最長筋(けいさいちょうきん)は、お互いに重なり合うような構造になっており、この2つの筋肉の間には首や頭部に向かう多くの血管が通っています。
筋肉の硬直によってこれらの血管がしめつけられ、血行不良をおこした結果、首のこりが発生します。
パソコンやスマートフォンの画面を凝視することで眼精疲労を感じているとしたら、血行不良になっている証拠です。
顔や頭の筋肉が緊張しやすく、首のこりをさらに悪化させます。
肩こり・首こりの治療方法
首・肩の「こり感を軽減させる」という点に関しては、血行不良を改善させることが重要となります。
カイロプラクティックスという整体法を用いることで、背骨のS字カーブを回復させることができます。
その結果、引っ張られすぎている筋肉のつっぱり感を解消できるのです。
また、筋膜リリースという方法で筋肉と筋肉を包んでいる膜(筋膜)との摩擦を減らすことで「体が軽い」感覚が実感できるようになります。
根本の「胃が弱っている」状態を改善するためには、経穴(けいけつ)と呼ばれるツボに対してお灸で温めるのが効果的です。
胃に関係する経穴はおへそのまわりと背中、脛(すね)の部分に多くあり、これらを温めると効果的です。
まとめ
もちろん肩や首のこり全てが内臓の機能低下によるものであるわけではありません。
腕や肩の筋肉の使い過ぎによって硬直している場合もあります。
しかし「筋肉をほぐす治療を受けた事があるが、その時しか楽にならない」という方は、内臓の機能低下も疑ってみる必要があります。
根本からしっかり治療すれば、よほどの無理をしない限り再発の心配はありません。
なかなか治療を受けに行く時間がないという方は「毎日の食事の時間をできる限り決まった時間にする」ということから心がけてください。
体の疲れを最小限に抑え、元気に年を越しましょう!
このブログを書いたスタッフ
[はり師・きゅう師]
池嶋 洋介(いけじま ようすけ)
趣味は旅行、音楽ライブなどの楽器の生演奏を聴く事。 水泳・器械体操や格闘技の経験があります。 西洋医学と東洋医学、それぞれの良い所を使って日々施術させて頂いております。