シンスプリントの原因と治療について
2019年09月05日
こんにちは、かとう鍼灸整骨院の福山です。今回も先日に引き続き足の痛みについて書いていきたいと思います。
いよいよ神戸マラソンもあと2か月となり、当院の周りでもマラソンの練習をする方々が増えてきています。
そんな中、足の痛みが出てしまい思うように練習ができなくて悩んでしまうことがあります。
マラソンの練習では、走ったりジャンプしたりと足に負担や衝撃を与えながら行うため、痛みが伴いやすいです。
今回は、マラソン初心者の方や今まで運動の経験が浅い方に出現しやすい足の痛み「シンスプリント」について書いていきたいと思います。
シンスプリントとは
シンスプリントは、陸上・バスケット・サッカーなど走る量の多いスポーツ選手に好発します。
「素人病」と認識している方もおり、症状を言い出せない選手も多いようです。
運動時や運動後に、ふくらはぎの内側に痛みがおこるものをシンスプリントと呼んでいます。
具体的には、「硬い路面でのランニングや、底屈筋の過負荷によって誘発される違和感や疼痛」と定義されています。
痛みを我慢して走っていると走れなくなってしまい、運動を中止せざるをえないこともあります。
また発症後、時間が経つと非常に治りが悪くなり、早期に治療を始めなければなりません。
シンスプリントの原因
シンスプリントの原因はオーバーユースです。
反復するランニングやジャンプにより、ふくらはぎの内側の骨に刺激が加わることと、足首や足の親指で地面をける筋肉が、下腿の骨膜を引っ張り炎症がおこるためだと考えられています。
過度の運動量・運動時間・運動内容・日数、またはフォームの変更・硬い路面・薄く硬いシューズ・下肢の形態異常・下腿三頭筋の柔軟性低下・股関節や膝関節や足関節の柔軟性低下・足関節可動制限などが発生の誘因となります。
この中でも、走り始めて間もないころにみられる急激な運動量増加が、最も悪影響を及ぼします。
特にヒラメ筋を主として後脛骨筋・長趾屈筋付着部が脛骨の表面を覆う骨膜を牽引して微細損傷をきたし、ふくらはぎ内側の痛みを発生させるものと考えられます。
シンスプリントの症状
シンスプリントの症状は、骨折した時のような激しい痛みではなく、鈍い痛みが特徴です。
徐々に発生する下腿内側の圧痛・運動時痛・主張が主症状で、足屈筋の抵抗運動で痛みは増強します。
走ったり歩いたりしている時だけ痛みを感じ、通常は安静にする事で痛みが無くなります。
初めのうちは運動開始時の不快感から始まるのですが、運動を継続していると一旦は徐々に弱くなっていきます。
しかし次第に悪化すると、足がついている間中ずっと痛むようになり、やがて常に痛みがある状態になります。
起床時のベッドから起き上がる動作や、日常生活全般の動作の中でも痛みが生じるようになります。
さらに症状が進行すると、脛骨の疲労骨折に至る可能性もあるので要注意です。
シンスプリントの症状は、4段階に分けられます。程度は次の通りです。
Stage1:痛みはあるがウォームアップにより消失する
Stage2:ウォームアップにより痛みが消失するが、スポーツ活動終了近くに痛む
Stage3:日常活動に支障はないがスポーツ活動中、常に痛む
Stage4:局所の痛みは常に存在して日常生活にも支障がある
シンスプリントの治療方法
初めに、自分の症状や痛みがどの程度のレベルなのかを判断して、それぞれの痛みの対処法から学んでいきましょう。誤った判断で治療すると症状が悪化する場合があります。
①症状が軽度の場合
練習量を減らす、または練習自体を休むことで痛みは治まります。
休むことができない場合は、練習後は入念なストレッチを行い、患部に15分程アイシングをすると痛みを和らげるのに効果的です。
また10分程のアイスマッサージも効果的です。
ふくらはぎの痛みが治り始めたら、徐々に足の筋肉のストレッチと筋力強化運動を行うことができます。こうした運動は再発の予防にも重要な役割を果たします。
②何もしていなくても痛い時・我慢できないほどの激痛がある時
安静時に痛みが出現し、パフォーマンスにかなり影響がみられる場合、疲労骨折との鑑別が必要です。必ず、アイシングを行ってください。
疲労骨折の場合、患部を見ただけでは実際の状態が正確にはわかりません。
レントゲンやMRIを撮ることができる整形外科を受診しましょう。
疲労骨折にまで至ってしまった場合には、完治までには数ヶ月間を要します。
しかし上記の方法だけでは実は解決に至らないのがシンスプリントです。
シンスプリントは、運動を休んでいても痛みの原因までは取り除くことができません。
病院などでは部活や運動、スポーツの中止を指導されますが、休んでいるだけでは根本原因が解決しないからです。
ここからは、根本的な治療と解決には更に何が必要なのかを説明していきます。
シンスプリントは、「ヒラメ筋」を始めとしたスネの周辺にある筋肉の硬さが原因です。
これらの筋肉は、走ったりジャンプしたりする時によく使う筋肉です。
このような動作を繰り返すと、筋肉へ過剰な負担がかかり、血流が悪くなり、筋肉が硬くなってしまいます。
シンスプリントを治すためには、原因となる筋肉の血流を改善し筋肉の硬さを取り除くことが必要なのです。
シンスプリントの予防方法
筋肉が硬くなることがシンスプリントを引き起こす主な原因です。
シンスプリントを完治させ、予防するためには、硬くなった筋肉を柔らかい筋肉へと改善・維持することが最重要です。
身体、筋肉の使い方や、オーバーユースによって筋肉が硬くなるので、それらを改善することが予防への第一歩です。
それぞれの関節・部位にあるズレや歪みを放置していると、その部分に付いている筋肉には張りや捻れが常にある状態になります。
力をいれていないのに筋肉に張りや捻れがある状態で激しい運動をすると、筋肉の負担が過剰になり発症してしまいます。
身体を歪ませる要因として、普段の日常生活の姿勢や習慣にも原因があることが考えられます。
・足を組んで座る
・猫背
・立っている時に体重を片方の足に乗せる
など、普段の無意識に行っている動作が身体を歪ませます。
その結果シンスプリントを引き起こしますから、まずは上記のような姿勢の改善が必要です。
関節のズレが整い歪みが消えると筋肉が緩み、それにより痛みが軽減されていきます。
固まっている場所の動きがスムーズになると、望ましくない姿勢や動作も修正することができます。
日常生活を見直して、身体を歪ませる要因を排除していきましょう。
整骨院でも身体の歪みやその他の生活習慣など、自分では気が付いていないクセや運動の仕方を発見できる可能性があります。
早期で症状を改善することができるように、痛みを我慢しないで当院にご相談してください。
このブログを書いたスタッフ