筋トレ中におけるの筋収縮の様子を意識して効率よくトレーニングを
2019年06月21日
こんにちは。かとう鍼灸整骨院上沢院のスタッフ池嶋です。
前々回のブログで筋肉の収縮について求心性(きゅうしんせい)収縮、等尺性(とうしゃくせい)収縮、遠心性(えんしんせい)収縮の3種類のタイプを説明させて頂きました。まだ読まれていない方はぜひ過去のブログ一覧からご参照ください。
今回は具体的なトレーニング動作を例に挙げ、どのタイミングでどのタイプの収縮をしているのかについてお話ししていきたいと思います。
筋肉の収縮を意識することで、より効率的にトレーニングができるので、参考にしてください。
腕立て伏せ
まずはみなさんがよくご存知の腕立て伏せです。
鍛える筋肉は二の腕の後ろ側にある上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)です。実際には細かく言うと他にも使用する筋肉はあるのですが、今回はメインになるこの筋肉で説明していきます。
まずは腕立て伏せの動きを細かく見ていきましょう。
【腕立て伏せの動き】
①頭から足先まで体をまっすぐにし、肘をまっすぐ伸ばして地面に手をつき体を支えます。
②そこからゆっくり肘を曲げ、胸を地面に近づけていきます。このとき体はまっすぐです。
③胸が地面ぎりぎりのところまできたら、そこでストップです。
④今度は地面を押しながら、曲がっている肘を伸ばしていきます。肘を完全に伸ばします。
※肘が完全に伸びたら①の状態が完成するので、また②→③→④と繰り返します。
ではこのとき上腕三頭筋はどのようになっているのでしょうか。
まずこの筋肉のはたらきは「肘を伸ばす」ことです。この筋肉が収縮すると「肘を伸ばそうとする力」がはたらきます。
①の状態ではまだ力は入っていません。②の動作が始まる瞬間、収縮が始まり力が入ります。この段階では力を抜くと姿勢が崩れて胸が地面についてしまいますので、それを防ぐブレーキとしてはたらいています。「肘を伸ばそうと力を入れつつ実際には曲がっていく」現象ですので、これは「遠心性収縮」です。
③の状態は非常にわかりやすいですね。力を入れたままキープしている状態ですので、これは「等尺性収縮」です。
④は体を持ち上げていく段階です。ここでは「肘を伸ばす力を入れながら実際に伸びていく」現象ですから、「求心性収縮」です。
まとめると、遠心性 → 等尺性 → 求心性 の順に収縮を繰り返します。
スクワット
次はスクワットの動作です。
主に使う筋肉は「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」です。この筋肉は非常に大きな筋肉で、正しくは大腿直筋(だいたいちょくきん)、内側広筋(ないそくこうきん)、外側広筋(がいそくこうきん)、中間広筋(ちゅうかんこうきん)という4つの筋肉が1つにまとまったものです。
スクワットの動作を確認しましょう。
【スクワットの動き】
①立った状態で胸の前で腕を組み、足を肩幅より少し広げた状態にします。
②膝と股関節を曲げながらゆっくりとしゃがんでいきます。
③太ももが地面と平行ぐらいまでしゃがんだらそこでストップします。
④膝と股関節を伸ばしながら立ち上がっていきます。
※立ち上がると①の状態に戻りますので、再度②→③→④と繰り返します。
このとき大腿四頭筋はどのようになっているでしょうか。
大腿四頭筋のはたらきは「膝を伸ばす」ことです。つまりこの筋肉が収縮すると「膝を伸ばそうとする」力が入ります。
①ではまだ力は入っていません。②の動作が始まった瞬間、大腿四頭筋に力が入ります。しゃがんでいく途中であるこの段階で力を抜くと姿勢が崩れてしまいますので、それを防ぐためにブレーキとしてはたらいています。つまり「膝を伸ばそうと力を入れつつ実際には膝が曲がっていく」現象ですので、これは「遠心性収縮」です。
③は力を入れたままキープしている状態で、これは「等尺性収縮」です。そして④の立ち上がっていく段階では「膝を伸ばそうと力を入れつつ実際に膝が伸びていく」現象ですので、「求心性収縮」です。
まとめると、腕立て伏せのときと同じように 遠心性 → 等尺性 → 求心性 の順に収縮を繰り返します。
懸垂運動
最後は懸垂運動です。
これに関しては専用の器具がなければ自宅で行うのは難しいですが、公園の鉄棒にぶらさがって行う様子をイメージしてみてください。このトレーニングで主に鍛えるのは「上腕二頭筋(じょうわんにとうきん)」です。
上腕二頭筋のはたらきは「肘を曲げていく」ことです。この筋肉が収縮すると「肘を曲げようとする力」がはたらきます。
では懸垂の運動を細かく見てみましょう。
【懸垂の動き】
①両手で鉄棒にぶらさがります。このとき両腕はまっすぐに伸びています。
②ゆっくり両肘を曲げていき、自分の体を上に引っ張り上げていきます。
③自分のアゴが鉄棒よりも上にきたところで止めます。
④次はゆっくりと肘を伸ばしながら体を下ろしていき、元のぶらさがり状態になります。
※④を終えると①の状態に戻りますので、再度②→③→④と繰り返します。
さて、このときの上腕二頭筋の収縮の様子を考えていきましょう。
まず①の状態ではまだ上腕二頭筋に力は入っていません。②の動作を開始するとき、収縮が始まり体を引っ張り上げていきます。このとき肘はどんどん曲がっていく段階ですから、「肘を曲げようと力を入れつつ実際に肘が曲がっていく」状況ですから、「求心性収縮」です。
③は肘をしっかり曲げたままの姿勢をキープしている状態ですから「等尺性収縮」です。④の動作は体をゆっくりと下ろしていく動作です。ここで上腕二頭筋の力を抜いてしまうと体が落ちるように急激に下がってしまいますので、それを防ぐためのブレーキとしてはたらいています。つまり「遠心性収縮」です。
まとめると、 求心性 → 等尺性 → 遠心性 の順に収縮をしています。
まとめ
かがでしたか?実際にトレーニングを行う際には、上記の3つの収縮のうちで自分が強化したい収縮を意識し、その動作を「ゆっくり」行うと効果的です。効率よくトレーニングを行い、短期間で大きな効果を目指しましょう!!
このブログを書いたスタッフ
[はり師・きゅう師]
池嶋 洋介(いけじま ようすけ)
趣味は旅行、音楽ライブなどの楽器の生演奏を聴く事。 水泳・器械体操や格闘技の経験があります。 西洋医学と東洋医学、それぞれの良い所を使って日々施術させて頂いております。